タイトル: 下郷水力発電所を見学して
ランナー: 会員
山田 貴浩  さん 
   8月25日(木)福島県内の大学や高専からなる「アカデミア・コンソーシアムふくしま」主催の発電所見学会に参加し,南会津郡下郷町にある電源開発㈱の下郷発電所を見学してきました。
   この下郷発電所は「揚水式発電所」と呼ばれる形態のもので,一般的には,電力の消費が多くなる日中に上池から下池に向かって水を流してその落下のエネルギーで水車を回して発電し,電力消費の少ない夜間にはポンプを使って下池から上池に水を戻すというものです。下郷ダムでは上池が大内ダム,下池が大川ダムとなっています。ダムの近くには観光地にもなっている大内宿があります。上池の大内ダムは「ロックフィルダム」と呼ばれるもので,岩石や土砂が積み上げられて建設されているものです。いわき市内にある四時ダムもロックフィルダムです。
   現在,この下郷発電所も含め阿賀野川水系には数多くの水力発電所があります。学校の行事で会津方面の水力発電所の見学に何度か足を運んだことがありましたが,実際に揚水式発電所を自分の目で見たのは初めてでした。また,今回の見学会の最初に会津大学短期大学部の石光先生からレクチャーがあり,そのお話の中で阿賀川以外にも猪苗代地区(日橋川)に歴史の長い水力発電所が複数あり,その歴史的な経緯(大正時代に「三電競争」と呼ばれる需要家獲得競争があった時代の猪苗代地区の水力発電所で発電された電力の供給のこと,猪苗代湖や安積疎水を利用した水力発電の計画があったことなど)をうかがって初めて知ったこともありました。
   揚水式発電所は,上にも述べたように従来一般的にはポンプで上池に水を上げる揚水は夜間に行われることが多いのですが,発電所の方のお話では,ここ数年でやや事情が変わってきているようです。最近では,休日の日中に水を上げることがあるそうです。その理由は,太陽光発電施設の普及が影響しているようです。休日は企業(工場)が休みになるところもあって電力の需要が減りますが,そこに近年急速に普及した太陽光発電施設によって発電された電力によって供給量に余裕ができるため,その電力を用いて揚水をするそうです。とても印象に残るお話でした。
   浜通りでは水力発電所は馴染が薄いかもしれませんが,南会津地区・大内宿へお出かけの際には下郷発電所も見学のコースに含めてみられてはいかがでしょうか。周囲は緑に囲まれていて,秋には紅葉も綺麗に見られそうです。下池の大川ダムには発電施設のほか展示館もあり,平日のみではありますが9:00~16:30の間であれば事前の予約なしで見学ができます。
(団体での見学や説明が必要な場合は予約が必要となります。)
見学時の写真を添付しました。



上池の大内ダム



下池の大川ダム



大内宿



下郷発電所内の「烏帽子鉄塔」