タイトル: 苔の香り
ランナー: 会員
柴田 公彦   さん 
   8月に青森県と秋田県にまたがる十和田湖周辺や十和田湖から流れ出る奥入瀬川沿いをサイクリングしてきた。特に奥入瀬渓流の景観は見事なもので、特に、点在する岩々やテーブルまでも「苔」に覆われている様子は幻想的・神秘的であった。奥入瀬渓流たどりつくまでも自転車であったため疲れていたが、深呼吸すれば疲れは一気に吹き飛んだ。
   9月には京都旅行へ行き、東山、嵐山などの寺院を見学してきた。京都の空気は特に澄んでいるように感じる。京都は寺院が多く、そこに木々が多いからだろうか。寺院の庭を散歩していても清々しく感じる。そこにも地面や木々を覆うように「苔」が生えていた。
   その後調べてみると、奥入瀬渓流流域と京都東山(京都市東山山麓)のどちらも日本蘚苔類学会により「日本の貴重なコケの森」に選定されていた。青々とした美しい苔をみることができたのも納得できる。
   話は変わるが、最近、調香について勉強している人から話を聞く機会があった。自分がイメージする香水を、様々な香料を混ぜ合わせることで作るらしい。香料にはいろいろな種類があり、木のような香りをウッディ woody 、果実のような香りをフルーティ fruity というらしいが、なんと「苔(moss)の香り」モッシー mossy という分類もあるそうだ。しかし苔の香りといわれてもぴんとこない。草のような香りと思ったが、緑草、葉などの香りはグリーン green というらしい。モッシー系の香料を香水に入れると高級感、つや、深みを与えることができるとのこと。そんな話を聞いて、実際の苔の放つ香り成分と私たちが渓流や寺院で清々しく感じることには何か関係があるのだろうか ... などと妄想していると、苔の香りを確かめたい、また苔に癒やされたいと思う。じっくり腰を下ろして苔を観察してみると様々なかわいらしい形をしており、目でも楽しむことができる。最近、若い女性の間で苔ブームのようで、そのような女性を苔ガールというらしい。苔に魅了されるその気持ちがよく分かる。いわきにも背戸峨廊をはじめとして苔生された場所が多々あるようなので巡ってみたいと考えている。