タイトル: タネをネタにしてみました。
ランナー: 会員
吉田 真弓  さん 
    私の職場は新築で大変綺麗ですが、部屋が西向きなので、午後の西日がかなりきつい状態です。6月でこの暑さ、夏場が思いやられます。そして、一番の困りごとはひさしがないことです。降雨時は、霧雨でも部屋の中に入り込んでくるので、窓を閉めるしかありません。猛暑の可能性が予想される夏場が思いやられます。
    そこで緑のカーテンでひさしの代わりを作ろうと考え、5月にアサガオ、フウセンカズラ、ゴーヤのタネをまきました。アサガオは震災の前年に収穫したタネで、4年以上もたっており発芽するかどうか心配でしたが、1週間程度で10粒中8粒も発芽しました。反面、昨年収穫したフンセンカズラのタネの発芽率が悪く、5粒まいて2週間以上たっても1粒しか発芽しませんでした。ゴーヤのタネ(これも昨年収穫)は、他の2種に比べると更に10日くらい時間がかかりましたが、7粒中6粒が発芽しましたので優秀な発芽率です。このようにタネの発芽は、植物によってずいぶんと違うようです。種苗会社のタキイのホームページを見ると、アサガオ、フウセンカズラともタネまき時の気温が20℃以上でないと発芽率が下がるということでした。発芽の温度条件は同じようなのになぜこのように発芽に差がでてしまったのでしょうか。ここで自分のとった行動に気づきました。私は、アサガオのタネをまく時はいつもタネに傷をつけてからまきますが、フウセンカズラはなぜかそのまままいています。種皮は胚を守る役割のため強固な構造になっているので、発芽を促進させたいならフウセンカズラのタネにも傷をつけるべきだったようです。ゴーヤも同様の処理で発芽までの期間を短くできるようです。
    植物(ここでいう植物とは一般に被子植物を指します)のタネは、受精によって形成され種(しゅ)の保存のための役割を持っています。発芽した植物が根をはり葉で光合成をして独立して生計を立てていけるようになるまで、タネの力に頼らなくてはなりません。タネには親植物が作り出した栄養分を蓄える胚乳や子葉があり、更に丈夫な種皮で被われ、幼植物にとって生育条件が整うまでじっと待つことができる構造です。
    私は緑のカーテン作りに挑戦して、タネの発芽には、植物が元来生育していた土地の温度や日照、種子の形や種皮の厚さなどさまざまな条件が密接に関係していることを実感し、植物たちの環境適応能力に感心させられました。植物のタネの力に助けられてきた人類発展の歴史を振り返ると、もともとの生育環境と異なるいわきの地で一生懸命発芽しでくれたこの植物たちをできるだけ大きく育てて、共に夏を乗り切り、新しい生命につながるタネを再び収穫したいと考えています。