タイトル: かけがえのない住環境
ランナー: 会員
伊藤 正義   さん 
    新会員としてこの4月から“いわき環境科学会”に入会させていただきました。自己紹介を兼ねて最近の環境に関して感じていることを思いつくままに述べたいと思います。化学系の民間企業(広島、神奈川、千葉)での24年間、その後の福島工業高等専門学校での12年間を経て、この3月に定年退職いたしました。いわき市のすばらしい自然環境に魅せられ、4年前に退職後もいわき市に在住することを決意し新居を構えることにしました。しかしその後まもなくして、震災と原発事故の大きな環境変化がありました。以前のいわき市、福島県に早く復興してくれることを願うばかりです。
    民間企業では化学製品の開発と製造に邁進し、あまり環境破壊を考えることもなく仕事をしていたように思います。化学物質を造ることは人間には便利にはなりますが、どうしても環境的には破壊に通じます。以前は多少の環境への負荷は開発という名目で無視されていたように思います。しかし現在では環境には最大限の配慮がなされるようになりました。“ 環境を無視して産業はなりただず”です。福島高専では環境教育を担当してきました。大気、水質、土壌、有害化学物質、地球環境(温暖化、酸性雨、オゾン層破壊)、廃棄物とリサイクル、エネルギーの項目で整理しておりました。学生の環境問題に関する基礎知識の習得が主目的でした。環境を考慮しない人間活動はありえない時代に対応できる一助となればと思っておりました。
    長い間、福島県外で生活してきた私がいわき市の住環境の良さは何ですかと聞かれたら、1)自然環境が豊か、2)農水産物が豊富、3)気候が温暖、4)人口密度がほど良い、5)都会にほど良く近い、6)人間性が豊か、と答えるでしょう。樹林帯のせいでしょうか、福島県は新緑と紅葉がすばらしく綺麗でいつも感動させられています。他の地域にはめったにない景観ではないでしょうか。会津や中通りの山々にも魅せられ、トレッキングにもよくでかけております。近くに雪が見られるのも北国育ちの私にとっては魅力のひとつです。次に、いわき市で不都合なところは何かときかれたら、医療環境の不備でしょうか。行政の問題でもありますが、早急に改善を望みたいところです。
    震災は自然災害なのでどうしようもないところですが、人災の要因が大きい原発事故の影響は今後も長く続くものであり本当に辛いものです。非難を強いられている方々にとっては住環境の完全なる破壊であり、状況を招いたことに対する過失は甚大であり、早急に対応していかなくてはならない課題です。被害を受けた農水産業者の困窮も大きく、それに比べると些細ではありますが新鮮な農水産物を気持ちよく食せない状況にあるのも残念なことです。米、野菜、果物はやがて全面的に回復してくれるでしょうが、魚、貝類に関しては先が長そうです。今回の震災と原発事故を通じ、貴重な住環境を維持していくことの重要性を痛感させられました。全住民が、自分たちの住環境を大切に守り続けることを胆に命じるべきなのです。