タイトル: いわきでの生活を振り返って
ランナー: 会員
長岡技術科学大学 高橋一義   さん 
   全国に50数校ある高専を束ねる国立高専機構と学生の大部分が高専卒業生である技術科学大学間(新潟県長岡市と愛知県豊橋市の2校)の人事交流制度により福島工業高等専門学校に2年間お世話になりました。いわきでの生活を振返り、当時抱いた感想を交えながら私の福島高専での活動を紹介したいと思います。
   まずは天候に関するものとして、2年前の春、長岡からいわきへ引っ越した当時が思い起こされます。日本海側にあり毎年雪が積もる長岡に対して、いわきは太平洋に面し温暖な天候と周囲から聞いていた私を含む家族は、春先のいわきが寒いことに驚きました。とくに、暖房器具として用意したエアコンが部屋に設置されるまでの最初の3日間、家族全員で夜の寒さに耐えたことがとても印象に残っています。また、冷たい風が吹く冬期とは対照的にほぼ毎日続く澄み切った青空が強く印象に残っています。住まいの作りも影響するのですが全般的に、いわきは長岡にくらべ寒いとこであるとの実感をもちました。
   私の実感を裏付けるような?データが2012年2月に、株式会社ウェザーニュースにより発表されています(http://weathernews.com/ja/nc/press/2012/120207.html)。これは、「いつもいる部屋の温度」を調査したもので、その結果によると福島県は17.91度(46位、全国で2番目に室温が低い地域)、新潟県は18.99度(15位)です。なんと平均温度で1度の違いがあり、このデータからいわきの方々は寒さに強いことが伺えます。
   つぎに、勤務先であった福島高専ではとくに周辺地域の課題や教育に対して積極的に取組んでいる点にも驚きました。近隣に工学系の教育・研究施設が少ないという地理的な面も影響していると思いますが、限られた教職員数で精力的に活動されていることに感心させられました。
   そのような環境の中、私の所属学科の先生方が多数関わっている「いわき地域環境科学会」の存在を知り、地域の課題解決に専門分野であるリモートセンシング技術が活用したいとの思いで入会しました。しかし、入会してリモートセンシング技術に対する潜在的な期待は高いものの、装備や費用面の制約により実際に活用することが容易でないことを痛感しました。
   リモートセンシングが未だに身近でない存在である理由のひとつに、欲しいあるいは必要であるデータの入手が難しいことがあります。タイミングよく、安価にデータを入手できる状況下ならば、リモートセンシングの活用機会が増えると思います。このような思いから福島高専では、機動性と姿勢安定性能が飛躍的に向上したラジコンヘリに着目し、ラジコンヘリを活用した観測システムの構築に取り組みました。構築した観測システムの費用は百数十万円(センサ含む)とまだ高価ですが、タイミングよく上空からの観測データを取得できる点では、リモートセンシング技術の活用範囲を広げる存在と考えております。電子機器機の小型・高性能化と低価格化が進むことで、個人あるいは小規模な団体が主体となってリモートセンシングデータの取得が可能となる社会が近い将来訪れると期待しております。
   さいごに、長岡市在住ですので直接、会の活動に参加する機会は少ないと思いますが、「いわき地域環境科学会」の長岡支部であるとの思いで、今後も会の活動に関わっていきたいと考えています。
写真 福島高専第一グラウンド上空から平市街地(写真左奥がいわき駅方向)を撮影した風景。