タイトル: 福島で子供を育てるということ
ランナー:
匿名希望   さん 
   いわき市は他の地域に比べて放射線量がかなり低いです が,幼い子供と一緒に生活していると,その影響を無視することは,や はりどうしてもできません.身の回りの状況を理解することと,1歳の 子供が大きくなったときの説明材料になればと,いわき市で貸し出して いるデジタル式線量計を借りています.貸出期間は5週間で,再び手続 きを行えばまた5週間の延長ができるというので,先日,その申請をし に行きました.すると,4月から延長期間が3ヶ月に伸びたと説明を受け ました.長く借りられるのはよかったのですが,「あぁ,やはりこれは 長期戦なのだな」と,心にズシンとくるものを感じました.放射性物質 を気にしながらの生活が,今後も長く続きますよと囁かれたような気持 ちがして,状況は理解しているものの改めて思い知らされたようでした.
   いわき環境科学会の活動では,子供を対象にした自然観 察会ができずにいると聞きました.このような状態になってしまったこ とはとても残念です.何よりも残念なのは,一歩外に出れば美しく豊か な自然が広がっているのに,子供がそこに近づこうとすると,常に「放 射性物質」が壁になったり,触ってみたいという気持ちを迷わせたりす るようになってしまったことです.安全を確保しながら,これから環境 活動をどのように実施していくか,これからの大きな問題だと思いま す.県内各地には室内の大型遊具施設ができて人気ですが,環境活動は やはり屋外でやるからこそ意味があるのではないかと思います.自然が 子供の成長に良い影響をもたらすというのは良く聞くことですが,自分 の子供の様子を見てもそれを感じます.我が子はまだヨチヨチ歩きの1 歳ですが,外に出ると花や葉っぱに興味が向いたり,飛んでいる鳥を見 上げたり,たちまち表情が明るくなります.自然環境を全身で感じるこ とで,予想もしていなかった面白い発見が次から次へと表れて,いろん なことを学んでいくのでしょう.子供たちがこのまま自然から遠ざかっ てしまわないよう,安心できる環境づくりを整えることが必要になって くると思います.
   ところで,今年は近くの公園へ桜を見に行きました.地 べたに座ってお弁当を広げることはしませんでしたが,美しい桜を見 て,春が来たことを体いっぱい感じることができたことはとても幸せで した.この原稿を書いている今日は,若葉が雨に濡れてとても美しく見 えます.何が起きようと変わらない自然の強さと美しさ.すばらしいと 思います.