タイトル: 散歩と自然の恵み
ランナー: 柳内 直一  さん  (会員)

   この2〜3年、週2〜3回のペースで夏井川堤防と新舞子ビーチを交互に散歩コースとして自然観察も兼ねて楽しんでおりますので、気が付いた点を述べます。
   夏井川の右岸から河口に向かう視界には、流れの状況や、遊泳休息中の水鳥や飛来してきた野鳥等が季節により、また天候によってもさまざま変化がみられており、自然環境との関わりについて自分なりに模索し楽しみにしております。また、10月下旬頃、産卵遡上中の鮭が10数尾、夏井川の農業用水路堰に斃死状態になっていたのを発見した事もありました。河口が閉塞状態にも拘らず仁井田川、横川を経由して母川の川に遡上した鮭の行動は科学では証明できません。福島県カテゴリの鳥類絶滅危惧Ⅰ類で渡り鳥であるコアジサシは河口周辺の砂浜地帯に6月頃、営巣して子育て後8月末には巣立って行きます。従って、周辺の自然環境には充分配慮すると共に地域住民も巣立つまでの幼鳥の保護管理が必要であります。河口閉塞が長期化することにより海水の交流が無くなり、潮間帯生物の減少、生態変化、河川の滞留による水質の悪化等、自然環境の変化によって魚類や野鳥等への影響も考えられます。また日本野鳥の会いわき支部が実施したシギ、チドリの調査活動が評価され、夏井川の河口域が日本の重要な飛来地に選ばれております。
   一方、滑津川は夏井川の南約2キロメートルに位置し、長期に亘り河口の閉塞状態を呈しております。大雨の後又は台風通過後に一朝にして堆積土砂が流出、開通しますが、数日後には土砂堆積し河口が閉塞状態にもどってしまいます。夏井川は閉塞しても横川に流出可能ですが、滑津川の閉塞は他に流出不可能ですから海水交換が無いので河口域の水質の悪化による生態系の変化が予想されます。また降水量の増加に伴い水位の上昇も予測され増水警戒の必要があると思います。
   このように自然河川には多くの環境問題と関わりながら私達は生活しております。近年、科学がこれほど進歩しても、自然に対する知識はほんの一部だけに限られ、私の散歩コースからも、自然環境を守ってゆくことの重要性について、地域住民はどれだけ認識しているのでしょうか疑問です。