タイトル: スウェーデンの地球温暖化防止への対策について
ランナー: 当会幹事  引地 宏 さん

 地球温暖化防止対策として、二酸化炭素の排出量が世界で最も少ない国として注目されているスウェーデンの取組み状況を視察したいと考え、環境視察ツアーに参加しました。
スウェーデンの面積は日本の約1.2倍の大きさで、人口は約890万人(2002年)です。国土の53%が森林地帯で、17%が山岳地帯、9%が湖および河川です。
  スウェーデン人は自然を愛する国民であるが、地球規模での温暖化の影響や近隣諸国から越境する酸性雨の影響で、森と湖の生態系が崩壊されています。
そのため、1972年にストックホルムで開かれた第1回地球サミット「国連人間環境会議」のホスト国となり、1992年の第2回地球サミット「国連環境開発会議」で採択された持続可能な社会を目指す行動計画「アジェンダ21」を実践するため、国内法「持続可能な開発を目指す法律」を施行し、環境教育に力を注いでいます。
 そこで、2008年5月18日〜24日の7日間でスウェーデンの中で積極的に取り組んでいるマルメ市、ストックホルム市(首都)、ゴットランド島を視察しました。(詳細には、別紙で記載しますので概要のみとさせて頂きます。)
 マルメ市はスウェーデンの南の玄関口で第3位の都市と言われています。街の中は徒歩や自転車で通勤・通学する人が多く、風力発電の電車とバイオガスの市内バスを利用しています。バイオガスのマイカーで通勤している人も少しいます。ガソリン燃料の自動車は非常に少ないようです。
  ガソリン1?当たり0.86クローナ(14.6円)の二酸化炭素税が料金に加算されるため、利用者は年々少なくなっているとのことです。バイオガスは生ゴミや汚泥をメタン発酵で得られるガスで、年々利用率が増加しているとの報告があり、得られた二酸化炭素税は風力発電の建設費に当てられています。

【バイオガスを燃料にしている市内バス】
  また、自転車の利用カードで有効利用できるようにするため、各所に貸自転車が設置されており乗換えも容易です。さらに、各家庭の暖房と給湯には燃料として木質チップを地区毎、アパート・マンション毎で利用し、省エネ(節電)にも協力しています。

【利用し易いカード式の貸自転車】
  ストックホルム市の大型エコホテルでは、ゴミを22種類に分別して、再資源化を容易にしています。食料は地元産の食材をできるだけ利用しています。また、アパート・マンション毎にゴミの分別回収が適正にやられているかチェックされ、毎月の排出状況がグラフに記載されます。不適正と認定されるとアパート代に分別経費が加算されるため、入居者全員が協力していようです。
 

【ゴミの分別回収(排出状況をチェック)】
  ゴットランド島では、廃木材や間伐材をリフォームの建築材や燃料に利用しています。さらに、森を活性化するため伐採して木造建築の家や木製家具に利用し、樹木を1本切ると2本の苗木を植えることが義務付けられています。
また、中世代の石造建築物が多く残されているため、世界遺産に指定された建築物を長期間保存して観光用に利用し、一部破損した石造物はアパートに改良して利用しています。
  沿岸には風力発電施設が設置され、二酸化炭素税を利用して年々増設されています。総発電電力量は水力〜原子力≫火力≫風力の順であるが、1986年のチェルノブイリ原発爆発事故の灰でスウェーデンの畑・森・山・湖が汚染された。そのため、原子力発電の廃止を求める人が多くなり、風力発電と太陽光発電を増設されることが望まれています。
 火力発電に使用される石炭は1トン当たり916クローナ(15,572円)の二酸化炭素税が加算され、地球温暖化対策として化石燃料の減少が遂行されています。そこで、広大な畑に菜の花を栽培し、多量の菜種油を製造しています。菜種油はてんぷら油に利用した後、精製して大型自動車や火力発電の燃料に利用しています。
 

【海岸地域の風力発電と広大な菜の花畑】
  飛行機や貨物船を利用しても、二酸化炭素の排出量に応じて炭素税が加算されます。食料を遠方から運ばれると、移動距離に応じて二酸化炭素税が加算されます。そのため、地元の無農薬で新鮮な農産物の利用が年々増加しているとのことです。
 スウェーデンは公的機関・事業所・国民(NPO)が一体になって、「二酸化炭素の排出量を削減し、持続可能な社会を目指している。」ことが良くわかりました。