タイトル: 想うがままに 〜ヒノキの間伐に苦慮する〜
ランナー: 江尻 勝紀



 現代の河川には、誠に多様な機能が要求されています。たとえば、河川は、利水・治水・環境とおおまかに分けられると言われています。多様な価値観に基づいく諸要求を調整し、それらを一つの案にまとめあげること。それが景観を考える上で必要であると言う考えもあります。

 私事で恐縮ですが、小生の自宅近くに所有する山林があります。そこは、20年ほど前に自宅を新築するときに植林していた杉を切って家の材料として使用しました。その杉を切った後にヒノキを当時80本位植林しました。植林後、下草刈りを5〜6年行い、ヒノキも2m位に成長しました。その間、ヒノキの根元の皮をうさぎか?何者かがわかりませんが、皮を食べるのかいたずらに皮をはがすなどの被害がありました。ヒノキも成長し、5〜6mになり下草刈りもしないで、ツタ類を切る位であとは何もしませんでした。その後、成長が遅くなったので近所のお年寄りに聞いたところ、下枝を切り、間伐をしないと大きく成長しないと言われました。ただ、間伐の場合、目安が解らず適当に成長の遅い木だけを中心に切りました。数年後に、ヒノキ同士の枝が交差し、伸びがまた遅くなりました。さらに、悪いことにその間に集中豪雨があり、土砂崩れを起こし、数本倒されることがありました。原因は、朝方2時間の間に約200mm.の豪雨が降ったことと、後で聞いたのですが植林して間伐をきちんと行わないと、林中の土がむき出しになり薄暗く低木も草も生えない状態になるので、崩れやすくなるとのお話であった。

 それから間もなく、間伐の研修会に参加する機会がありました。植林の仕方や間伐の方法等を知ることが出来ました。そこで、間伐は筋の良い木を残し、その木の4m四方にある木をすべて切るとのことでした。枝打ちはしなくて、切った木はそのまま残し、腐って肥やしになるとのことです。また、乱雑に切り倒して置くとそこに棲んでいる動物も歩きにくくなるとのことです。私自身、間伐で実際に4m四方を切る考えではいるのですが、1本切り倒したら10m位まで成長していました。聞いた通りに行うと本数も減りヒノキにとっては最高ですが、もったいないような気もするし、将来的にすぐ使うあてもないので少しちゅうちょしています。しかし、1年1年過ぎていくと切り倒すのがますます困難になってきます。ヒノキのため、さらには土砂崩れを引き起こさせないため、またヒノキの成長するのを楽しみに、土・日曜のたびに時間があれば切り倒しています。

 最近、いろいろなものを保全する場合に、合理的とか効率等を優先し、山・川・海の本来の姿を考えて、バランス良く計画・設計を行っているとは少々言いがたいのではないでしょうか。これからは、さまざまな視点(生き物などの視点)でトータル的に考えなければならないし、人工的でなく自然の流れに沿って形成されることが重要ではないかと思います。

 


次回のランナーは、青木寿博 さんです。