グローバルな視点から循環,共生を伝える

いわき地域環境科学会  会長  原田 正光


    新年おめでとうございます.
    2021 年は不安定な社会や経済の動きの中で環境のしくみをいかに維持していくか,そのようなことを進めていくきっかけになる年にしたいものです.
    もうじき東日本大震災から 10 年が過ぎようとしています.特に本県はこれまで経験したことの無い大津波の被害や原発事故による環境放射能汚染,さらにはそれらに付随して生じた幾多の困難を抱えて,それらを克服しようと頑張ってきた年月であったと思います.震災直後は想定外の出来事に自然の偉大さを恨めしく感じたこともありましたが,想定した人間自身の愚かさを悔い改めなくてはならなかったのだと気付きました.人為はこれまでも幾多の失敗や反省を乗り越えて今に至っているわけで,これからもハードルを越える取組みを続けていくわけですが,ハードルの高さを調節しているのは自然だと他人事のように考えていては駄目で,人為の積み重ねによっても乗り越えることがとても困難になるハードルに出くわしてしまうということに気付くべきだと思います.
    話は変わりますが,戦後の復興から高度経済成長を迎え,その裏では公害問題が表面化した頃の話です.今でこそ公害という言葉がほとんど使われなくなっていますが,日本が頑張ってこれを克服してきたからということもあります.その背景には,私たちの健康を第一に考えて,産業との協和を取り下げたことが大きかったわけです.昨年からのコロナ禍は年が変わっても私たちに新しい生活様式を求め続けていますが,その生活様式とはどのようなものか,真剣に考えていかなければならないと思います.人の健康の保護と経済活動を両輪で動かすのはもう少し先のことではないかと考えてしまいます.
    そのような中で,当会もウィズコロナ禍,ポストコロナ禍を踏まえた活動を意識していかなければなりません.まさかこれほどまでにコロナ禍に振り回されようとは考え及びませんでしたが,このような状況を前提にした活動を進めていくしかない状況です.そして,地球温暖化などのグローバルな環境問題や生物多様性の保全といった問題は待った無しの状況ですので,お題目ではなく具体的な取組みが求められます.そうした場合に,当会に何ができるのか,あるいは何が期待されているのか,会員の皆様と議論してみたいと思いますが,ふと思いつくのが,これまで当会が進めてきた活動でもありますが,環境のしくみを多くの人に伝え理解してもらう取組みの継続ではないかということです.そのような理解醸成への貢献は当会の最も得意とする役回りではないかと思います.
    最後に,本年も会員の皆様のご協力やご支援をいただきながら,コロナ禍における当会の活動スタイルを模索していきたいと思います.皆様におかれてはこの 1 年,ご健勝にてそしてそれぞれのお立場でご活躍,ご発展されますことを祈念申し上げます.