地域環境の復元をめざして

いわき地域環境科学会  会長  橋本孝一


    明けましておめでとうございます。今年の干支は、「巳年」=「蛇年」 「巳」という文字は、蛇が冬眠から目覚め地上に出てくる姿を表したものといわれ、「物事が始まる」の意にも通じるとされているようです。また、蛇は脱皮をすることから「復活、再生」の象徴でもあります。
    一昨年の大災害は、私たちに多くの教訓を与えるものとなりました。地震・津波等の自然災害との向き合い方、原発依存のエネルギー政策の是非、エネルギー多消費型の生活スタイルへの反省等、私たち一人一人、これまでの生活観を改めて見直し、新たな文明の創造に向けて再生していきたいものと願わずにはおれません。
◆本会では、震災直後から日本財団の助成を受けながらいわき地区海岸の放射能汚染の実態を調べてきました。放射能汚染に対する安全性を確認しつつ、磯の観察会、いわき海星高校での環境学習等、海岸部での環境学習を再開することができるようになりました。さらに、一昨年実施できなかった子供環境研究発表会も持つことができました。また、震災後、他の環境団体からの働きかけが多くなってきております。自然エネルギーの利活用やまちづくり等に関するシンポジウム・講演会への参加要請や開催案内等、復興に向けた動きが活発化しており、それらの事業に積極的に参加し本会の運営に生かすよう配慮しております。
    一方、本会といわき鳴き砂を守る会とが呼びかけ団体となり、鳴き砂を調べ・楽しむ会を11団体の共催の形で企画しました。今後、さらに連携の輪を拡げていければと期待しているところです。
◆震災から3年目を迎えようとしている今年、いわき地域の環境の復元に向けて本会が果たすべき使命も大きくなっているのを感じます。放射能汚染による環境汚染に加え、地盤沈下、地滑り、海岸線の後退現象等に伴い自然環境は多くのダメージを受けており、それらの実態調査を基に復元に向けての提案に向けての活動を早急に具体化していかなければならないと思っております。
    既存のワーキンググループ(環境教育、自然エネルギー、循環型社会、自然景観、放射線計測)等を中心とした事業の展開を図っていきたいと思います。
    最後に、会員の皆様へのお願いがあります。今後、様々な事業を実施していくためには、より多くの会員の方々のご協力が必要です。海岸部での放射線量調査、小中高校での環境学習等では、多くの人手が必要ですが、現状では、まだまだ足りず活動が制限されているのが実情です。皆さんの積極的なご参加をお待ちしております。
(2013.1.1)